都会での生活を長く続けた後、早期リタイアやセカンドライフの選択肢として
「自然豊かな離島で暮らしてみたい」と考える方が増えてきています。
しかし、離島にはどんな魅力があり、どんな不便があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、私自身が山口県の周防大島という離島で生まれ育った体験をもとに、離島暮らしのメリットとデメリットをリアルにご紹介します。
離島に住むメリット
1. 海や山の大自然に囲まれた暮らし
離島は海に囲まれ、山や海など手つかずの自然が多く残っています。
アウトドアが好きな方にとっては、非常に魅力的な環境です。
私も子どもの頃は、家のすぐ近くにある山や海で友達と遊んでいました。
海沿いの家に住んでいたため、窓を開ければ潮風と海の香りが感じられ、まさに自然と共にある暮らしでした。
現在は仕事の関係で島外に住んでいますが、帰省すると鳥のさえずりや波の音に癒され、自然の中でただぼーっとする時間が最高のリフレッシュになっています。
キャンプや海水浴、山登りなどレジャーの選択肢も多く、自然を満喫したい方にはおすすめです。
2. 新鮮な魚や野菜が身近にある
離島では、新鮮な魚や野菜を日常的に手に入れることができます。
地元の漁師さんが釣ったばかりの魚や、農家さんが収穫したばかりの野菜が店頭に並ぶのは当たり前。
私の実家でも趣味でお米や野菜を育てており、社会人になった今でも白菜や大根をよく送ってもらっています。
また、周防大島はみかんの名産地。
栽培している知り合いも多いため、子どもの頃からみかんを買ったことがなく、冬はこたつで食べるのが定番でした。
近所の方が釣った魚や採れたてのサザエをお裾分けしてくれることも多く、島ならではの「食」の豊かさは大きな魅力です。
3. 人と人とのつながりが深い
離島は人口が少ない分、地域のつながりがとても強く、人情味あふれる暮らしができます。
子どもたちは登下校の際に元気に挨拶を交わし、地域のお年寄りたちも温かく見守ってくれます。
私自身、小さい頃は近所の大学生のお兄さんやお年寄りとよく遊んでいただきました。
受験勉強中のお兄さんの家に毎日遊びに行っていたほどで、今思えばとても恵まれた環境でした。
また、新しく移住してくる方は地域に歓迎されやすく、世話好きな住民も多いため、輪に入りやすいという良さもあります。
離島に住むデメリット
1. 移動手段が限られている
離島は公共交通機関が少なく、車が必需品です。
私の地元には電車がなく、バスも本数が非常に少ないため、ほとんどの家庭が2台以上の車を所有しています。
私の家では父・母・私に加え、農業用の軽トラックを含めて4台の車があり、それぞれが仕事や生活に使っていました。
高校時代、本土の高校に通っていた私は、親の迎えが急用で来られなくなり、夕方のバスも終わっていたため、
仕方なく7kmの道のりを徒歩で橋を渡って帰ったことがあります。
真夏の炎天下で、非常に大変でした。
しかし車窓から見える絶景に毎日癒やされる日々で、夕焼けなどあまりの綺麗さに感動する事も多いです。
2. 台風などで孤立することがある
離島は船や橋がライフラインとなるため、台風や事故による影響で孤立するリスクがあります。
私の地元・周防大島では、過去に貨物船が唯一の橋「大島大橋」に衝突し、しばらく通行止めとなりました。
その際、水道管やネットケーブルも破損し、断水やネット障害が発生。住民は井戸水を分け合いながら生活し、大きな不安と不便を感じました。
このように、インフラトラブルの際に自給自足に近い状況になることがあるため、日頃からの備えが大切です。
3. 店舗が少なく、品揃えも限られている
離島にはコンビニ、スーパー、薬局などの店舗が少なく、品揃えも限定的です。
山口県周防大島町では、アミューズメント施設や大きな本屋はなく、最寄りのスーパーまで車で移動しています。
さらに、コンビニも島内に2店舗ほどしかないので、
夜に急に何かが必要になっても、都会のようにすぐに手に入る環境ではありません。
休日に本土へ買い物に出かけることもよくあります。
しかし無駄遣いしづらい環境という利点もあります。
まとめ
離島暮らしに向いている人とは?
メリット
海や山など自然に囲まれた環境
新鮮で美味しい魚や野菜が手に入る
地域の人との温かいつながり
デメリット
公共交通が少なく車が必須
台風などでインフラが断たれる可能性
店舗数が少なく、都会のような利便性はない
自然の中でゆったりとした暮らしを望む方や、人とのつながりを大切にしたい方にとって、離島暮らしはとても魅力的な選択肢です。
一方で、不便さや孤立のリスクもあるため、メリットとデメリットをしっかり理解したうえでの移住計画が重要です。
私自身、またいつか離島での暮らしを再開したいと考えています。
離島に興味のある方の参考になれば嬉しいです。